以前、舞台スタッフの7つ道具という記事を書かせていただきました
ここですホイホイ=舞台スタッフ(演出部)の7つ道具
「じゃさ、プロデューサーには7つ道具はないの?」
というお尋ねを、少しいただきました。
「はい、ございます」
しかし、まあ、7つ道具と威張るほどのモノではなく、どこにでも手に入る普通の物ですが、しかし、私も長年業界にいて、色々使って、試して、飽きて、でも最後はこれだな。
と、いずれもそうして残った優れものではありますので、自信を持ってご紹介させていただきます。
実用性半分、あとの半分は「ハッタリ」とか「ちょっとカッコいいじゃん」が、選択のポイントになっています。
電卓
まずは、電卓です。
プロデューサーというのは右手に台本、左手にそろばんと言われます。
まあ、現代はそろばんに変わって、電卓を使用しておりますが、プロデューサーが使う電卓にはどうしても欠かせない、2つの要素が必要です。
ひとつ目は、計算できる単位が最低でも「億」までの、9桁が必要です。
できれば10桁あれば理想です。
「俺、億単位の仕事しれるもんね」という事を見せつける代物です。
でも、プロデューサーって、本当に億単位の仕事をするんです。

もうひとつの大事な要素は、大型のものを使わなければなりません。
ポケットサイズや名刺サイズ、あるいはiphoneの電卓を使っているようではいけません。
できれば、テプラかなんかで作った、名前テープなどを貼っておいてください。
電卓はプロデューサーの商売道具ですから、できるだけしっかりした物で、しかも事務所の備品とかではなく、あくまでの自分専用のモノだということを、しっかり見せつけることです。
億の単位まである、大型の電卓が必要になるのは、自分で収入計算をしたり、支出を計算する、いわゆる予算管理に必要ですが、もっというと、舞台美術や衣装などのプランナーと演出家、業者を交えた発注会議などの席上です。
美術会議では、舞台美術家が自分のデザインした舞台図面を広げ、演出家や舞台監督に説明をし、それを大道具製作会社の営業マンとプロデューサーも聞いています。
ひと通り説明が終わると、演出家から様々な要望が出ます。
例えば、舞台奥の階段を下手から上手に変えて欲しい。
とか
下手おくのドアをもう少し、舞台前に持ってきて欲しい。
など
プロデューサーはそれを聞いていて、なるほど、なるほどと頷いていますが、次に演出家が
「壁に凹凸をを付けて欲しい」とか天井からの照明を「もっと豪華なシェンデリアして、二つ欲しい」なんて話が出ると、舞台監督と大道具会社の人が、こちらを見ます。
すると演出家がプロデューサーに向かって「いいだろ?」と聞いてきますので、
電卓を弾きながら「うーむ」と考えたフリをする時に、この立派な電卓のキーを叩いていると結構間が持てるんです。
「まあ、見積もりを見て判断しますが、シャンデリアはもう少し豪華にしてもいいですが、例えば一つにして、壁の凹凸は勘弁してください」
なんて返事をします。
会議の終わった後に、大道具会社の営業に「予算これで」と電卓の数字を見せながら、
「演出家もああ言ってんだからさ、なんとか、シャンデリア二つにするか、壁の凹凸を作るか、どっちか頼むよ、演出家には○○さん(大道具会社の人の名前)が、頑張ってくれて壁の凹凸かシャンデリア二つかの、どちらかなら作ってくれるって言ってます。っていうからさ、頑張ってよ」
なんて話をする際も、手に大きな電卓を持っていると、話が進みやすいんです。
大きめの電卓はプロデューサーをちょっとだけ「できるプロデューサー」に見せる、大事なアイテムです。
アタッシェ・ケース
革製のダレスバッグ、ナイロン製のトートバッグ、革製のブリーフケース、革のアタッシェケース、大きめのリュックなど色々なバッグを使いました。
色々なバッグをめぐりめぐって、最後にたどり着いたのが「RIMOWAのアタシェケースです」
私は長い間「アタッシュケース」と思っていたら、どうも「アタッシェケース」だそうです。
値段は少々高いのですが「一生モノ」という意味では、安いのかもしれません。

これを持つと、自分は出来る人だという、錯覚にひたれます。
これを選んだのがデザインのカッコ良さと、何より頑丈で仕事で使う「MacBook air」を入れていても、完全にガードされているという安心感です。
若干の難点は、開閉が「面倒」なところで、これは「ダレスバッグ」に軍配が上がります。
注意すべきことは、満員電車などで硬いボディが人にぶつかると「キレられる」のと、迂闊に開くと「ドバッ!」と開いて中身を「ぶちまける」ことがあります。
知り合いのドイツ人プロデューサーが同じ物を持っていて「開閉が少し面倒だよね」と言ったら、笑いながら「この面倒さを楽しむくらいでないと、余裕ある大人じゃないよ」と言われました。
それ以来「MacBook air」を持つ時はこの面倒さを楽しんでいます。
Macを持たない時は「ダレスバッグ」にしていますが、徐々にあえて面倒な「アタッシェ」を持つことの方が少し多くなっる気がします。
たまにですが、同じRIMOWA製のアタッシェケースを持った人と出会うと、
「へえ、やるじゃん」と思いながら「別になんとも思ってないし‥」と意識してしまうのが、まだまだ余裕ある大人になれていません。

限定 リモワ Lufthansa Black Claic アタッシュケース
こちら、結構、値が張りますので、簡単にお勧めはできませんが、国際的な場において、何かと私の力になってくれました。
そして、セキュリティとプロテクションに優れています。
ドイツの頑固で頑丈、それこそ一生どころか、孫の代まで使えると思います。
そもそも、海外では孫、曾孫まで使える家具やコート、スーツ、バッグなどザラです。
とはいえダレスバッグ
そうは言っても、このダレスバッグの使いやすさとカッコ良さは見逃せません。
ですから、パソコンを持たない時は、ダレスバッグを持っています。

最高のバッグです
ダレスバッグは昔、米国のダレス国務長官が持っていたので、そう呼ばれるようになったとのことで、世界各国の国会議員が使っていると聞いたことがあります。
それなりの立場の方、新国立劇場の常務理事の時は、文部科学大臣や経団連会長、その他メッチャ立場のあるへの訪問などの時に使っていました。
ダレスバッグと言っても色々タイプがあるようですが、私はガマグチみたいにガバって開く「林五=FIVE WOODS]という鞄メーカーのバッグを使っています。
デザインが気に入ったので、同じデザインの「サイドバッグ」を買って、お揃いにしました。

「サイドバッグ」はオヤジ臭くて嫌われると、色々雑誌などに書かれていますが、このサイドバッグはかっこいいと思っています。
パソコンを持つときは「アタッシェケース」持たない時や、ちょっとVIPに会う時は
「ダレスバッグ」と使い分けています。
その度に、中身を全部、移し替えるので面倒なようですが、これをやるとその都度、荷物整理になるし、鞄の中に眠って「化石」のようになった「ガム」「メモ」「小さなゴミ」などを整理することができます。
いずれにせよ、その時々のシーンに合わせ、自分を演出してくれ、元気にしてくれるバッグは私の
プロデューサー人生を楽しく、豊にしてくれました。

[ファイブウッズ] TED’S テッズ LARGE DULLES ビジネスバッグ 39023 ミッドナイト
ちょっと根が張りましたが、一生ものです。
何より、これを持つと元気になって‥自信が持てて、多分これで出世した部分もあるかもです。
今の自分より、ほんのちょっと無理していい物を持つようにしていると、そのうち、それが似合うようになります。
靴
なんで靴?
別に取り立ててすごい靴でなくても良いのですが、演劇プロデューサーは劇場のロビーでお客様をお迎えする仕事があります。
普通のお客様にもそうですが、新国立劇場にいた時には「駐日各国大使とその夫人」「総理大臣」
「国務大臣」「大企業の会長や社長、そのご婦人」さらには「天皇陛下」「皇太子殿下」などがいらっしゃいました。
靴だけは常に磨いておりました。
「フォーマルシューズ」としては黒のストレートチップ。
私は天皇陛下もご愛用という「大塚製靴」の靴を履いていました。
「リーガル」なども愛用していましたが「大塚製靴」のは、日本人の足型に合った靴で、サラリーマンにはちょっとだけ高いかな?
と思ったのですが、えーいっ!


これを履いていると、自分、ちょいワル、モテおやじになった錯覚にひたれます。
いつかこの靴が似合う立場になればいいんだ!
と、勝手に考えて買いました。
なったかどうかわかりませんが、これが履きごごち抜群で、しかも丈夫、10年履いてもしっかりしています。
気のせいかもしれませんが、ちょっといいレストランやホテル、外国のショップなどに入る時、店員さんが一瞬「足元」を見る気がします。
海外のレストランでは「スニーカー」などでは入れないという話を聞きましたが、残念ながら一度もそのような店に入ったことはありませんが、最初は見栄で履いていたのですが、だんだん「自分の為」に履いているようになりました。
同じストレートチップの茶色と黒をもう一足買って、交互に履いていますので、最初に買った靴が15年、次の2足が11年です。

[オーツカ] セミブローグ OT-1001 メンズ クロ 24.5
黒のストレートチップ、いわゆるフォーマルな場でも、ビジネスでも履ける優れもので、日本人の足に合った作りで、靴底は2年から3年に一度替えています。
同じ、黒のストレートチップと茶のストレートチップを交互に履いて、15年履いてます。
パソコン
七つ道具の中でも、特に必要なもので、私の場合Apple製の「MacBook air」のゴールド色を使っています。
以前は新国立劇場で配給されていたパソコンが、Windowsだったので、自宅でもWindows パソコンを使っていたのですが、スマートフォンがiphoneだったので、連動して使うのに良いのではと思い、5年前から「Mac」を使っています。
iphoneで写した写真や、Macで書いた原稿の校正やリライト、メールの送受信など、iphoneとMacが連動してくれているおかげで、随分と便利でスムーズになりました。

この記事もこれで作っています。
「MacBook」は主には「予算作成」と「収入、支出などの予算管理」に使うのと、メールの通信手段、もう一つはデータとして作った「俳優のキャスティング資料」
最後にネットに繋いでの「各種調べ物」に使っています。
以前は、図書館に通い様々な調べ物をしていたのですが、最近ではもっぱらネット上での検索で賄えております。
そうだ、もうひとつ「このブログ記事作成」に使っています。

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iphone
最初に買ったスマートフォンが、サムスンのギャラクシーSⅢαという機種でした。
スマフォってみんな同じだと思って買いました。
これはこれで、とても優れていたのですが、ちょっと操作やアプリなどで分からない事があって、周りの人に聞いたら「iphoneじゃないと分からない」と言われました。
気がつくと周りはみんな「リンゴのマーク」のスマフォでした。
それまで、スマフォとiphoneは同じもんだと思っていました。
iphoneの別名をスマフォと呼ぶんじゃないの?
あれ? じゃあ私の持っているスマフォは?

と言われて、思わず買ったiphone15 色はグリーン、お気に入りです。
なんて言うの?
「アンドロイド」
と、新国立劇場の情報センターのスタッフに言われました。
なんか、アニメに出てきそうな名前だな‥「アンドロイド」って
別にここで「iphone」の宣伝を殊更する訳でなないのですが‥たまたまなんでしょうけど、私の周りの人はみんなiphoneでした。
そうなると、あの「リンゴのマーク」がどうしても欲しくて。
その当時、日本でiphoneを手にできる通信会社は「ソフトバンク」だけで、私が契約していた
「docomo」や、もうひとつの「au」では契約してなかったので、iphone本体が買えなかったのです。
ところが、それが解禁になったか何かで、docomoでもauでも買うことが可能になったのです。
すぐ近くの量販店でiphone7という機種を買いました。
その時契約していたのがdocomoだったのですが、通信会社を変えると安くなると言われたので、
「節操なく」瞬間技でauに変えました。
アドレスの末尾が変わったのですが、iphoneを手にしたことの方が嬉しくて気にしませんでした。
最初の3週間ほど、慣れるのに苦労しましいたが、なんか、これで「俺? iphone」とか言えるので、意味なく仕事場の机の上に「これ見よがしに」置いていました。
その後、パソコンもWindowsからMacBook Airに買い替えて、このiphoneで作ったメールや文章を、Macで構成したり、またその逆もありで、かなり便利しています。
時々、ストレージが足りなくなるのが面倒ですが、それ以外は楽しんで使っています。
現在は「iphone 15」を使っています。
フランクリン・プランナー(A5版システム手帳)
最近はあまり見かけなくなったような、システム手帳、それでもデスクワークでも会議でも、あるいは打ち合わせ、プロデューサーの場合の出演交渉やギャラ交渉など、あらゆる場面で、自分の秘書のような存在でそばにあるのが、手帳‥というより、ノートのような物です。
最初、井上ひさし先生から頂いたのがきっかけでした。
その時のモノは「タイムシステム」というA5サイズの大きめのシステム手帳でした。
革製のバインダーが、40年前の価格で38,000円で、中身のリフィルがセットで10,000円でした。

40年前というと、バブルで24時間戦える「ジャパニーズ・サラリーマン」がカッコいい時代です。
私が大判のシステム手帳(タイムシステム)を使い出した、少し後から「ファイロファックス」という、バイブルサイズの手帳がブームになりました。
テレビ局のプロデューサー達が、小脇に抱えて現場を歩いている「聖書サイズ」のシステム手帳です。
その頃、そんな小さな手帳では無く、仕事ができるVIP管理職は「重厚長大」なる、大判のA5サイズの手帳をデスクに置いて仕事をするのが「正解です!」
なんて言うのを単純に信じて、その頃「バイブルサイズからA5サイズ」に変えた人も何人かいました。
私と同じ「タイムシステム」を持っていたのが「夏木マリ」さんや「島田歌穂」さんの事務所の社長のSさんでした。
同じタイムシステムを使っているという、なんだか同じ趣味の仲間同士の様な感じで、どうなふうに使っているかなど、お互いのリフィルを見せあっていました。
その後、新宿紀伊國屋ホール公演での休憩中、何気なく寄った、当時、紀伊國屋ビルの隣にあった、紀伊國屋アドホック店2階のステーショナリー・コーナーに「フランクリンプランナー」と言う、 A5サイズのシステムノートが飾ってありました。
リフィルはシンプルな物もありましたが、その他に四季によって、デザインが変わるカラフルなものや、女性向きの花柄など、他のシステム手帳のシンプルなデザインのリフィルと違っていました。
演劇は遊び、この遊び心を持った手帳にすっかり魅了されてしまい。
値段が高かったのですが、スタートのセットを買いました。
他のシステム手帳と異なるのが、フランクリンプランナーのA5版は、リフィルを留めるバインダーのリング7つあることです。
他社の製品は共通して6リングで、会社が違ってもリフィルは共通で綴じられるのですが、フランクリンプランナーは、独自のものしか閉じられないのです。
他社のリフィルを入れるのを、断固許さないという、ワガママ、身勝手ですが、その精神が私にはなんだか面白く感じて使い始めました。
中は「予算書」「キャスティングの為の俳優データー」「to do表]「月刊カレンダー」
「デイリー(1日2ページ)」「アドレス」「備忘録」「アイディアメモ」でした。
フランクリンプランナーの数種類のリフィルがありますが、パソコンで自作したリフィルを、プリントアウトし、7穴の専用パンチを買って穴を開け、ファイリングして使っていました。
難点は重いことですが、慣れです。
以前「飲み屋」に忘れて、電話をしたところ「手帳は無かったけど、カバンの忘れ物ならあります」
と言われました。
「それ手帳です」と言うと、めちゃめちゃ変な顔されました。

フランクリン・プランナー スターター キット 見開き一週間 2025年 7月始まり 12ヶ月版 コンパクトサイズ バーガンディ 86435
スーツ
30代、40代くらいまでは「アオキ」や「コナカ」などの既製品で充分でしたが、50代に入ると仕事で出会う人の社会的な地位が高い人が多くなってきます。
仲間同士で会うのならいいのですが、商談などになった場合、ある程度先方の方の着ているスーツと釣り合いのとれるものが必要となってきました。
それほど良いものでなくて良いのですが、ほどほどのスーツを着はじめました。
メーカーはClothErmenegildoZegna(ゼニア)でした。
初めて名前を聞いた時には、日本のメーカーの「銭屋」とか言う会社かと思いました。

これが一番フォーマルで、時々、ダブルのスーツを気軽なパーティーなどに来ていました。
なんか、日本人にしたらそっちの文字が浮かびますよね「銭屋」
最初に作ったスーツは、オーソドックスな無地の紺でした。
ある程度の年齢になって「経団連」や「国会議員」さん達と会う機会が増えますと、皆、無地のスーツを着て、白いワイシャツを着ていました。
ストライプ柄とか、ビジネススーツのイメージだったのですが、いわゆるVIPは皆、無地のスーツでした。
私も無地のスーツを着てから、なんだか、少しだけ「仕事ができる大人」になったような、いい意味での錯覚をしました。
自分に自信を付けたい方は、まず、無地の少し良いスーツをお勧めいたします。

ボールペン
色々と試したのですが、イタリア製のカンポマルツィオのブルーの柄を使っています。
新国立劇場内では、ほとんどの決済は印鑑だったのですが、海外との契約はサインでした。
以前、モンブランの万年筆を使っていたのですが、使う頻度が少ないと、すぐカートリッジのインクが無くなってしまい、その都度、ペン先を洗って、新しいカートリッジを差し込んで、ティッシュでペン先から洗って残った水と新しいカートリッジのインクを吸わせて、ちゃんと書けるまでひと仕事でした。
そうかと言って、目の前に相手がいるところで「契約書」なり「覚書」なりに100円のボールペンってのも、失礼かな?

調印などの時に、懐からさっと出すと、仕事ができる人という、錯覚にひたれます。
そんなこんなで、少しカッコいいボールペンがないか、見て歩いていたのですが、新宿小田急デパートで、たまたま展示即売会をやっている、カンポマルツィオに出会い、すぐさま2本買ってしまいました。
替えのインクは「モンブラン製」のもので、しっかり合いましたが、買ってからまだインクがなくなっておりません。
モンブランの替え芯は中身が見えないので、インクがどれくらい無くなったのかが、わからないのですが、その分からなさや、めんどくささを楽しんでおります。
「俺、ボールペンにもこだわる、ちょっと素敵な大人?」
と、自己陶酔するのにうってつけの一本です。

カンポマルツィオ 油性ボールペン レディー エメラルドグリーン
持っている自分が好きになれる、一生涯使えるペンです。
財布
これは、あまり人前で出し入れするものではありませんので、自分が使ってて気持ちがいいとか、気分が高揚するとかで選べばよろしいかと思います。
以前、金持ちは長財布を持っているとか、財布の値段は年収の200倍とかいう話がありましたが、私の知る限り、年収ン千万円という人の財布が、二つ折りだったり、小さな財布だったりしていました。
私は3つ財布を使い回していて、日常の「コーチの二つ折り」と「ダンヒルの長財布」そして、フォーマルな時は「ルイ・ヴィトン」のエピの長財布です。
この財布、よーく、よーく見なければ「ルイ・ヴィトン」とうロゴが見えません。

エピでヴィトンのロゴがよく見ないと見えないのが、ちょっとオシャレを知っている大人の男、という錯覚にひたれます。
開くと、イニシャルが入っていて、ちょっといい感じです。
それがちょっとオシャレじゃん!
そう思って書いました。
まだ円が強い時です。
中身は身分証明書と免許証、マイナンバーカード、お札‥ちょっと(最近あまり使いません)、クレジットカード兼キャッシュカードです。
現役で仕事をしていた時は「領収書」を買いてもらうのに名刺を持っていました。
「領収書ください」
「はい、宛名は?」
「しんこくりつげきじょう、です」
「?」
ここで名刺を出さないと「新国立‥」まで書いて止まるか、思いっきり「新国際‥」と書くか、あるいは全く書けないかです。
大抵「劇」という字で止まります。
それで、名刺を出すと相手も、一瞬、安心した顔をしますがすぐ「でも、俺、その字知ってたもんね、劇ってかけるもんね」って顔で‥でも、劇の字のところに来ると真剣(マジ)に見て書いていたり、その上で思いっきり間違う人も結構いました。
確かに普段「劇」なんて字は書きませんものね。

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値が張りましたが、年収は財布の値段の200倍になると言われ‥
ギリギリでしたが、確かに200倍の年収をいただきました。
だったら、思い切ってもっと高いのにすれば良かった‥
タキシード&ディレクタースーツ
新国立劇場での「演劇公演」の場合は、普通のスーツか制作部のメンバーによっては、ラフなスタイルで受付に立つこともあります。
ところが「オペラ」公演の場合、特に10月のシーズン開幕の初日は「幹部職員タキシード着用」というのが、新国立劇場創設から続いていました。
営業担当の理事だった、私は「営業部の幹部」たちが、毎公演タキシードを着用していたので、仕方なく毎公演着用していましたが、これは夜の公演の時で、昼公演の場合は「ディレクタースーツ」と呼ばれる、黒のフォーマルジャケットにグレーの縞々ズボン、グレー系のベストにサスペンダーというスタイルでした。

仮装行列に出る人みたいでした。
これは「オペラの観客」の多くが、3万円もするチケットを買って来てくださり、その際に皆さん、オシャレをしてご来場いただいておりました。
それなのに、お迎えする我々幹部が普通のスーツってのもねぇ。
という所から始めたものでした。
しかし、ディレクターズスーツはまだしも、タキシードって慣れないと「カフス」とか「蝶ネクタイ」とか面倒で、しかも、正式には「エナメルシューズ」とかいう、男の子が七五三で履くようなピカピカした靴なんで‥これは昔、照明が乏しかった頃、ダンスを踊っていて女の人に足を踏まれないように目立つ靴を履いていた‥って、ホントかよ!
思わず、ツッコミを入れたくなるんです。

どうせ踏まれるなら、違うところが‥とか言うと、今は問題だそうで‥
いずれにせよ、新国立劇場では私が常務理事になった年から「タキシード」は着ても着なくても、自由となりまして、役員は着なくなりました。
新人の尾崎理事長は「‥折角、買ったのに‥」と、寂しそうでして、皆が自由だから着てもいいんですよ、と言ったのですが‥いじけて着ませんでした。
その他
世の中、あまりモノを持たない「ミニマリスト」と言うのが流行りました。
同僚の常務理事には、手ぶらで出勤してくる人もいましたが、私はいつも七つ道具を持って、その他には「予算書」や「書類各種」「文庫本」「Kindle」を持っていましたので、大荷物でした。
どこへ行っても「出張ですか?」とか「ご旅行?」などと、マジで聞かれました。
「いつもこれくらいの荷物です」と言うと「何が入ってるんですか?」と驚かれていました。
荷物が軽いのも素敵だと思いますが、現役時代の私はどうかするとバックを二つ持っていたりしました。
手荷物依存症ですね
でも、私にとっては荷物というのはとても楽しくて、うれしいモノでした。
例えは悪いですが、兵士の持つ銃や弾薬、水筒、地図、或いは薬や手榴弾のような、自分を守る頼もしいアイテムでした。
度を過ぎるほどの荷物はダメですが、自分が持てる範囲の荷物でしたら、そして自分がそれで元気になったり楽しくなったりするんだったら、いいですよね、ミニマリストに引け目を感じている、オオニモツ二ストのみなさん、今日も大荷物で楽しい人生を生きましょう!
中島豊